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論述は「型」で解く/問題読まずに解ける部分もあり【キャリアコンサルタント試験 論述のコツ・対策編】

※私が受験したのはキャリアコンサルティング協議会での試験です。JCDAとは異なりますので、ご承知おきください。

キャリコンの論述試験は、解答の仕方にある程度決まった型があるので、学科やロープレ面接に比べたら難易度は低いかなと思っています。

論述の合格ラインは20点/50点満点(40%)。
でも、もし論述で20点合格しても、ロープレ面接で70点/100点満点取らないといけません。
実技合計(論述+ロープレ面接)の合格ラインは、90点/150点満点だからです。

難易度が低いところで、得点を稼いでおきたいところ!論述は40点くらい目指しましょう!

筆者

かくいう筆者は36点でした💦採点ミスか?

今回紹介する方法はユルいので、満点は取れないと思います。自分の経験から、30点〜いけて40点くらいの感覚で読んでもらえると幸いです。

◾️この記事を書いた人(タップして開く)

 1年間で100回以上、キャリコンロープレ試験対策を実施しています。また実務では人材紹介業に従事しており、多くの求職者の方のキャリア支援を行って参りました。これまでに培ってきたノウハウを活用しつつ、常により良い対策を提供できるよう邁進中です。 (キャリアコンサルタント試験/キャリ協 学科・実技共に一発合格、オールA判定)

筆者のキャリコン試験結果

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【結論】論述のコツ・簡単な解き方

論述問題を解くコツは、以下の3点です。

論述のコツ・簡単な解き方

①試験におけるクライアントの課題は「自己理解不足か職業理解不足、またはその両方」であることを意識する
②事例記録の言葉をそのまま使うこと
③当てはめて使える解答の「型」を覚えてしまうこと

 

自己理解、職業理解については、後ほど説明します。

事例記録とは、お題内容のことです。

 

「型」さえ覚えてしまえば、事例記録の内容が異なっても結構イケます。

 

まずは敵を知ろう

論述試験は、どんな問題なのか?

過去問”CC協議会”(https://www.career-shiken.org/about/learninfo/ )を見て確認しましょう。

論述の問題は5問

❶ クライアントが相談したいことは何か?
❷ キャリアコンサルタントは(下線部分を)どんな意図で質問したのか?
❸-1 あなた目線でのクライアントの問題は?
❸-2 上記の根拠は?
❹ 今後の方針・対応どうするか?

 ❸が2問に別れているので、問題は合計5つ。1つ10点で50点満点。
 筆者が36点だったので部分点はあるみたいです。

過去問”CC協議会”の過去問を見る限り、毎回同じ問いなので、今回もこの問題対策でOKだと思います。

 

自己理解、職業理解とは? ※超重要な大前提です

この考え方はロープレ面接試験でも使えますし、実践でも効果を発揮します。
まずは下の図をご覧ください。

これは人がキャリアを広げたり、専門性を高める上で、循環させるサイクルです。

簡単に説明すると、

①己を知り②仕事(職種だけでなく職務や環境も含む)を知り③気づきがあり④どうしたいか決めて⑤決めたことを実行して⑥新しいキャリアへ適応できる

これを繰り返すことで人はキャリア形成していく、という考え方です。

キャリコン試験でのクラアントは、ステージ1「自己理解」が足りていないステージ2「職業理解」が足りていない、またはその両方です。

もちろん、クライアント本人はそれに気付いていない設定です。
だからこそ、それがキャリコンが気付かねばならないことであり、論述やロープレの「問題」になるんです。

 

ちなみに、私が人材業界で実践してきた中でも、このようなケースは多いです。自己理解、職業理解は相当難しいので、当然です。思考を繰り返してようやく構築できるものですね。
とにかく、大前提として、クライアントの自己理解不足・職業理解不足に意識して、問題に臨みましょう。

  

 

実践:具体的な「型」の説明

では、5つの問題に対して、「型」を紹介していきます。

問題❶ クライアントが相談したいことは何か?

事例記録を概要にしましょう、という問題です。

問題❶の解答の型

「〜〜という状況で、どうすれば良いか悩んでいる。」

「〜〜で悩んでおり、今後の対応について相談したい。」

 〜〜:クライアント目線の悩みを事例記録の言葉から抜き出し、1から1.5行くらいにまとめる。

相談の概要なので、クライアント目線であることがポイント。
ここではキャリコン自身の主観は入れない。あなたキャリコン自身の気持ちや想像は一切いらない(入ると原点をくらう)。

そう、使っていい材料は『クライアントが放った言葉』だけなのだ。
その材料を組み合わせて、解答の型の「〜〜」の部分を作る。
解答の語尾は「悩んでいる」「相談したい」でシメル!

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問題❷ キャリアコンサルタントは(下線部分を)どんな意図で質問したのか?

下線部分とは、第18回試験でいうと以下の赤枠です。
キャリコンがクライアントに向かって発した質問であり、この質問の目的が何かを解答します。

重要なのは、この問題は、そのキャリコンの気持ちを想像して答えるわけではないこと。

本質は、「キャリコンとして、なぜその質問をすべきだったのか?」ということ。

問題❷の下線部って、大体が、クライアントの言葉の伝え返し!(第23回と第26回以外は)

キャリコンが伝え返しをする理由は、受容による関係性構築や、クライアントに内省を促して気持ちを明確化してもらうこと、ですね!

ちなみに、この問❷、事例記録を読まなくてもどの回の試験でも同じ解答でクリアできます。(第23回と第26回以外は)

問題❷の解答の型

「クライアントが発した言葉を繰り返して伝え返すことで、感情の反射を行い、より深い関係性を構築するため。」

「クライアント自身にも当時の心境を振り返ってもらいつつ改めて気持ちを確認し、課題をより明確化するため。」

事例記録を読まなくても、上記を組み合わせて、2行にまとめれば大丈夫です。

これは事例記録の中にヒントはないかな、と。
なので、事例記録を読まなくても解けてしまう
感情の反射、関係性構築、気持ちの振り返り、のような言葉を入れれば、どこでも使える解答として成立してしまう。(第23回と第26回以外は)

問題❷の注意点(第23回の落とし穴)

要注意

第23回の論述試験では、この問❷がちょっと変わりました。

詳しく言うとと、設問内容自体は変わっていないのですが、【下線B】が引かれている部分が今までと違うのです。

上の写真のように、第22回までは伝え返しをしてるのですが、第23回は『クライアントの状況(または戦略)』を訊いているのです。

伝え返しをしていれば前述した型がそのまま使えますが、状況を聞いているのならば、話は別。

伝え返しをしている場合の解答が壱の型だとしたら、状況を聞いている場合の解答は以下の弍の型で応戦しましょう。

問題❷の解答 弍の型(状況を聞いている場合)

「理想のキャリアを目指す上で、現在何に取り組めているのか確認することで、相談者自身に状況を振り返ってもらい内省を促すため。」

「実際に取り組んでいることを言語化し、努力していることを再認識してもらうことで、自己肯定感を高めてもらうため。」

相談者自身に内省を促したり、それをキャリコンが肯定し自信を持ってもらうための発言であると見受けられます。上記を組み合わせてもOKです。

問題❷の注意点(第26回の落とし穴)

第26回の論述試験で、この問❷が変わりました。

今回も設問内容自体は変わっていないのですが、【下線B】が引かれている部分が、今までにない内容でした。

第26回では、クライアントの気持ちを訊いているんですね。

この場合は、クライアントに、より深い気持ちを話してもらうための問いかけです。

当時の気持ちを振り返り、言語化してもらうことで、クライアント自身の自己理解を深めることを促しているんですね。

問題❷の解答 参の型(気持ちを聞いている場合)

「〜に対し、どう感じたかを言語化することで、相談者自身の希望など自己理解を深めてもらい、〜に対する迷いや理想をより明確化するため。」

相談者自身が気持ちを言語化することで、内省や自己理解の促進につながります。

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問題❸-1 あなた目線でのクライアントの問題は?

あなた=キャリコン資格受験生」なので、まさに受験者のキャリコンの力量をはかる問題です。
そして、ようやく「自己理解」「職業理解」の不足を指摘する問題でもあります。

問題❸-1の解答の型

「〜〜について自分自身がどうしたいのかが不明確であり、自己理解が不足していると考えられること。」

「〜〜の職務役割と職場環境の理解ができておらず、情報が不足していると考えられること。」

「〜〜であると安易に思い込んでいること。」

 〜〜:事例記録から状況を抜き出す。

〜〜は客観的にみた状況を書きましょう。
クライアントの発言や行動は次の❸-2(根拠)で使うので、ここでは使いません。次の❸-2に取っておきましょう。

 

問題❸-2 クライアントの問題の根拠は?

1つ前の解答の理由づけです。クライアントの発言や行動を解答に使います。

問題❸-2の解答の型

「〜〜というクライアントの発言から、自己理解不足が窺える。」

〜〜というクライアントの行動から、職業理解不足が見受けられる

 〜〜:事例記録からクライアントの理解不足と思われる発言や行動を詳しく抜き出す。

あなたが感じた、クライアントの自己理解不足/職業理解不足/職務理解不足を、「クライアントがこう言っているから」とクライアントの実際の言動で記載しましょう。

枠的に3行くらい書けるので、詳しく抜き出してやりましょう!

事例記録に書かれていないことは、解答に使わないように注意!
言い換えくらいなら問題ないと思いますが、特にクライアントが明言してないことを想像で書くのは減点になる可能性があります。「それってあなたの想像ですよね」にならないようにしましょう。

 

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問題❹ 今後の方針・対応どうするか?

模範解答でもよくみる、以下のようなことが書かれていればOKかと思います。

問題❹の解答の型

「引き続き悩みに寄り添いながら関係構築を行い、(この仕事、役割、環境)について何が問題点なのかを整理する手伝いをする。

「ジョブ・カードのキャリアプランシートや補助シートの作成を勧め、作成時にはアドバイスし、クライアントのキャリアに対する価値観を見直すサポートをする。」

「仕事理解を深めるために、職業レディネス・テストなどアセスメントツールを丁寧に説明し、相談者の希望に応じて案内、サポートする。」

「最終的には相談者自身が自律的に意思決定できるよう支援する。」

もし、思いつく使えるツールがあれば、それも書き加えるとよいと思います。
あくまでクライアント自身が舵を取れるように、「支援する」「サポートする」という締めが良いですね。

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過去問 解答例

引用:特定非営利活動法人 キャリアコンサルティング協議会
引用:CARICON.CO 論述試験解答例

以下はご参考までに、過去問第17回論述の、筆者の解答例です。
筆者は本番前にこの過去問を解いて練習していました。
当時はCC協議会のHPに問題が掲載されていましたが今はないですね。
著作権の問題上掲載できず、申し訳ありません🙇

【設問1】事例記録の中の「相談の概要」(略A)の記載に相当する、相談者がこの面談で相談したいことは何か。

何となく保育士を目指していたが、実際の仕事内容は長時間勤務かつ低収入で思っていた仕事と違うと感じ、モチベーションも自信も失った。自分のやりたいことや向いている仕事も分からず悩み、今後について相談したい。

【設問2】事例記録の下線Bについて、この事例を担当したキャリアコンサルタントがどのような意図で質問を行ったと考えるかを記述せよ。

相談者が発した言葉を繰り返して伝え返すことで、感情の反射を行い、より深い関係性を構築するため。また相談者自身にも当時の心境を振り返ってもらいつつ改めて気持ちを確認し、課題をより明確化するため。

【設問3-1】あなたが考える相談者の問題(1)とその根拠(2)について、相談者の言動を通じて、具体的に記述せよ。

何となく保育士を目指しているだけで、やりたい事や向いている事の自己理解が不足していること。また、保育士やその他の仕事内容も調査不足であり仕事理解も不足していること。

【設問3-2】その根拠

「何かやりたい事がある訳ではなく、やれる事もわからず、何に向いているのかもわからない」という相談者の発言から自己理解不足が伺える。また、保育士の仕事は「大変そう」という一方「いい仕事だと思う」という発言や、姉の仕事をうらやむ反面「自分にできるのか」という発言の曖昧さから仕事理解不足が見受けられる。

【設問4】問3で答えた内容を踏まえ、今後あなたがこのケースを担当するとしたら、どの ような方針でキャリアコンサルティングを進めていくか記述せよ。

引き続き悩みに寄り添いながら関係構築を行いつつ、相談者の悩みに対し解決の支援を行う。自己理解不足に対しては、相談者に同意を得た上で、ジョブ・カードのキャリアプランシートと補助シートの作成いただき(作成時にアドバイスも行い)、相談者のキャリアに対する価値観を一緒に整理する。また仕事理解を深めるために、職業レディネス・テストなどアセスメントツールを丁寧に説明し、相談者の希望に応じて案内、サポートする。最終的には相談者自身が自律的に意思決定できるよう支援する。

 

第21回と23回だけ…本気で解答例を作りました!

文字数もこだわって書いています。35〜40点くらいは固いと思いますので、ご参考までに。

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筆者からちょっと補足

試験本番は、練習と違っていつもより考え込んでしまいがちです。

熟考するタイプの方は、あまり考えすぎない方が良さそうです。
練習で、論述の解答が制限時間ギリギリだった人も要注意です。

筆者は最後の問題で、文書を書いている途中で時間切れになりました…。最後の解答って、長いですので、本当にみなさん気をつけてください。。

すごい凝った頭のいい解答はいらなくて、普通の解答で採点者がスッと理解できるものが良いと思います。

 

 

まとめ

簡単な方法と言いつつ、つらつらと書いてしまいましたが、とにかく以下と、時間を気をつけましょう。

論述の簡単な解き方

①試験におけるクライアントの課題は「自己理解不足か職業理解不足、またはその両方」であることを意識する
②事例記録の言葉をそのまま使うこと
③当てはめて使える解答の「型」を覚えてしまうこと

意外と事例記録を読まなくても解ける問題もあるので、そこは確実に獲っていきましょう!

 

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