私が派遣会社に勤めているとき、ある派遣先のお客様から、
「派遣スタッフ〇〇さん、報連相はしてくれるんだけど、ちょっと分かりにくいんです」
と相談を受けたことがあります。
そうです、報連相は難しいです。
よく『結論から伝えるとよい』なんて聞きますが、複雑なものになると『何が結論になるのか、分からない💦』となりますし、相手が厳しい上司ですと緊張して余計混乱してしますよね。
今回は私自身が報連相で気をつけてきたことや、私も部下に教えている、誰でも簡単にできるオススメの報連相のやり方をご紹介します。
昔、私も報連相が苦手でした…。
しかし、伝え方については勉強と実践で鍛えてきました。
今は会社の役員の方への相談や、込み入ったクレーム対応に関わる報告等、比較的高度と思われる報連相もスムーズに出来ています。
また私も上司という立場で報連相を受ける身として、日々思うこともあり、それも含めて記事にまとめました。
派遣就業においても、報連相は上手なほど有利です。
派遣先からの評価は確実に上がりますし(それだけ報連相を重視している派遣先は多いです)、評価が上がることで長期継続の可能性や直接雇用の声がかかる可能性も高まります。
ちなみに、正社員の方でも使える、社会人万人向けの内容です。
報連相スキルを圧倒的に伸ばす4つの方法
① まずは、報告 or 相談 or 連絡のどれなのかを使える
② 結論を先に一言で伝え、その後に理由や背景を伝える
③ 相談のときは、上司に選んでもらう選択肢を準備しておく
④ 報連相の仕方は上司の好みに合わせる
①②③については、メールでも口頭でも、同じことが言えます。
4つの方法を個別に解説
① まずは、報告 or 相談 or 連絡のどれなのかを使える
報連相をするときは、開口一番、相手に何をしてほしいのか(知ってほしい、判断してほしい、教えてほしい、など)を先に伝えるのがベストです。
開口一番も話すことは、相手に何をして欲しいか、ということ。
・ご相談です。
・共有のみです。
・進捗報告です。
・アドバイスがほしいです。
理由
聞き手の頭をセットアップできるからです。
例えば、「判断してほしい」ことが先に伝われば、聞き手はそういう思考回路に切り替わります。話を聞きながら、『どう判断しようかな』と、頭を回すことができるわけです。
逆にセットアップがない状態で話を聞くと、判断すれば良いのか、聞いているだけで良いのか、アドバイスが欲しいのか、上司は不要なことまで考えなければなりません。
これで聞き手は、素早い判断が出来、ストレス軽減にもなります。
相手の思考回路の切り替えは、報告者から能動的に行いましょう。
② 結論を先に一言で伝え、その後に理由や背景を伝える
相手に何をして欲しいか伝えた後、次に内容に入りますが、必ず結論から伝えてください。
しかし、この結論から、ということが難しいものです。どうやったら結論から伝えることができるのか。
コツは以下です。
結論については、「何を相談したいのか」、「何を報告したいのか」、「何を共有したいのか」、それを一文章だけで表現するよう心がけてください。
例えば、
「お客様へ〜伝えても問題ないか、相談したいです。」
「○○の検証結果の数値報告をさせていただきます。」
のような感じです。端的に短く伝えるのがコツです。
その後に、「と申しますのが、こんな背景がありまして・・・」と理由や詳細が続くわけです。背景や理由の説明は多少長くても問題ありません。
理由
これも聞き手の頭のセットアップです。
相談なのか報告なのか、方向性が決まった後に、「何の相談なのか」を一言で示すことで、相手の意識をその項目に集中させることができます。
ここで結論から言わず、ダラダラと話をしてしまうと、聞き手は『この人は何が言いたいのだろう』とより多くの思考を回さなければならなくなり、結果、上司に無駄な時間や集中力を使わせることになります。
③ 相談のときは、上司に選んでもらう選択肢を準備しておく
物事を相談するとき、「どうしましょう?」と相手に投げていませんか?
相談する際には、相手に選んでもらう選択肢を用意すると、その相手は判断しやすくなります。
丸投げするではなく、そこに自分自身の考えや提案を織り交ぜると、より高度な相談方法となり、上司からの評価は上がります。
① Yes or No で判断を仰ぐ
例)この内容で進めていいでしょうか?私がこれを進めたい理由は~~。
② A案 or B案(または3択以上)のうち、どれがいいかの判断を仰ぐ
例)このA案とB案のどちらがよいでしょうか?私はAがいいと考えます。理由は~~。
どちらも、自分の考えと理由を織り交ぜることが大切です。
理由
相談者は大体、その出来事の当事者か、当事者に近い立場のはずです。
聞き手は、その相談者が「どう考えたのか」「どうしたいのか」という気持ちを確認することによって、より状況を明確にイメージすることができます。
また、選択肢があることは、聞き手にとって判断の時間短縮になります。時には、考え方の間違いを正してあげたり、別の考え方を教えてあげることもできます。
相談者にとっても、自分がやりたい形に持っていける可能性が高まるというメリットがあります。
④ 報連相の仕方は上司の好みに合わせる
最後は少し変わり種ですが、とても重要なことです。
報連相の手段やタイミングには必ず聞き手の好みがあります。この好みを把握し、それに準じて報連相をすると、聞き手はストレスなく話を聞くことができます。
把握の仕方は簡単。上司に直接確認しましょう。上司に確認しにくい場合は、先輩や同僚の方に聞いてみましょう。
例えば、以下のような手段やタイミングがあります。
●手段例
①対話
②電話
③SlackやLINEなどのチャットツール
④スマホへのショートメッセージ
⑤PCメール
⑥掲示や回覧
●タイミング例
【緊急】+【重要】:①対話、②電話
【緊急】+【些細】:①対話、②電話
【不急】+【重要】:③SlackやLINEなどのチャットツール、④スマホへのショートメッセージ、⑤PCメール
【不急】+【些細】:⑤PCメール、⑥掲示や回覧
他にも「この結果は必ず電話で報告をして欲しい」、「日々起きた事象は都度報告ではなく、日報でまとめて欲しい」など、上司によって好みは様々です。
理由
上司は常に多くの情報を受け取り、各個判断する必要があります。受け取る情報量が多すぎると上司もパンクします。情報量をコントロールするためにも、上司は自分が望むタイミングで部下からの報連相が欲しいと感じます。
上司好みのタイミングで報連相ができる部下は、上司評価が高いです。
まとめ
上手な報連相をするためのポイントは以下の4つです。
① まずは、報告 or 相談 or 連絡のどれなのかを使える
② 結論を先に一言で伝え、その後に理由や背景を伝える
③ 相談のときは、上司に選んでもらう選択肢を準備しておく
④ 報連相の仕方は上司の好みに合わせる
聞き手にとってストレスなくスムーズに伝わること、時間を取らせず素早く判断してもらえるようすること、こういう気配りを大事にすれば報連相は上達します。
報連相のうまさに上限はないので、より良い方法を自分で開発していくのもアリですね。
コメント