今回は、派遣で働くことを検討されている方や、初めて派遣で働く方が、一番最初に知るべきことを説明します。
派遣ってどんな働き方?
派遣のメリット/デメリットは?
派遣はどんな人に適した働き方なの?
派遣で働くまでの流れは?
そんな疑問を解決します!
まずは、派遣には”3種類”の形があることを知りましょう。
その3種類の中から自分に最適なものを選びましょう。
それぞれ解説しますね。
派遣とはどんな働き方?アルバイトと何が違う?
まずは、派遣とはどんな働き方なのか、説明します。
派遣とは、派遣会社に雇用された状態で、雇用元である派遣会社とは異なる別の就業先で勤務する働き方のことです。業務の指示は、就業先から受けます。
労働者(派遣社員)にとって、
雇用元(派遣会社)と
業務指示者(派遣先)が
異なるのが、派遣の特徴です。
下に図示していますので、まずはコレをしっかり押さえておきましょう。
※”指揮命令関係”とは、業務を指示するもの(派遣先)と業務の指示を受けるもの(派遣社員)の関係のことです。
雇用元は派遣会社になるため、給与の支払いや保険加入は派遣会社が行います。
普段の業務の指揮命令は、派遣先の社員の方から行われます。
たまに、アルバイトと派遣をごちゃ混ぜにされている方がいらっしゃいますが、全くの別モノです。
アルバイトは、就業先で直接雇用される形態のため、『雇用元=就業先』となります。
※派遣とアルバイトの違いをまとめた記事はこちら(派遣とアルバイトどちらを選ぶべき?派遣はメリット多め)
派遣は特殊な形態ゆえに、様々なメリット・デメリットがあります。
それを説明するために、次のトピックで派遣の雇用形態が3種類あることを説明していきます。
派遣には3種類の雇用形態がある
実は、派遣という雇用形態は大きく3種類あります。
一般派遣、正社員型派遣、紹介予定派遣の3つです。
1つずつ解説していきますね。
一般派遣
一般派遣とは、派遣会社に登録し、仕事の紹介を受け、派遣先へ就業する、という一番ポピュラーな派遣です。別名、登録型派遣ともいます。
派遣就業が決まり、派遣会社と派遣先が派遣契約を締結すると、派遣社員と派遣会社の間に雇用関係が生まれます。
雇用期間中は、派遣会社が派遣社員へ給与を支払います。保険加入する場合も派遣会社の保険に入ります。
派遣契約が終わると、同時に雇用関係もなくなります。このように期間が決まってる雇用を、有期雇用といいます。
有期雇用である一般派遣では、派遣法により、同じ派遣先の同じ部署に就業できるのが最大3年間までと決まっています。
※派遣の3年ルールについての詳細はこちら(3年ルールを延長して継続するためのお勧めアクションプラン)
正社員型派遣
正社員型派遣とは、派遣会社の無期雇用社員となり、派遣先へ就業する派遣形態です。
一般派遣との違いは、派遣社員は正社員として派遣会社に入社しているという点です。すなわち、無期雇用です。
これにより、派遣契約がなくても、雇用関係は継続します。
また、無期雇用である正社員型派遣では、一般派遣と異なり、同じ派遣先の同じ部署で就業3年間までという縛りがなく、何年でも同じ職場で派遣就業ができます。
なお、派遣会社の正社員のため、原則、派遣先は自分で選ぶことができず、派遣会社が決めます。就業先は「会社命令」ということです。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣先への直接雇用(正社員 or 契約社員)を前提とした派遣のことです。
派遣期間最長6ヶ月の期間を経て、派遣社員と派遣先の双方が問題なければ直接雇用となります。
最長6ヶ月という期間は法律(派遣先が講ずべき措置に関する指針 第2の18(1))で決まっており、紹介予定派遣では6ヶ月を超える派遣を行ってはいけません。
また、直接雇用はあくまで前提であり、確約されたものではありませんので要注意です。
派遣期間中に選考があるケースもあります。お互いが見極める期間なのです。
派遣のメリット/デメリット
派遣の雇用形態が3つあることは、先ほどの内容で理解いただけたかと思います。
この雇用形態が異なると、メリット/デメリットにも違いが出てきます。ここからは、それぞれの雇用形態のメリット/デメリットを説明します。
一般派遣のメリット/デメリット
メリット
●仕事を選ぶことができる
●働きたい時期や期間を選ぶことができる
●派遣先正社員に比べて、仕事に大きな責任を負うことがない
デメリット
●同じ職場で最大3年間までしか就業できない
●派遣が終了したら雇用もなくなる
●時給制なので休んだ分は無給
●仕事内容や権限が限定的で、昇格などはない
一般派遣の最大のメリットは、選択肢の広さです。
業務内容はもちろん、就業時間、就業日数、場所、会社の銘柄でさえ、自分で選択することができます。
また、1年間だけ働きたいなど、働く時期や期間も自分で選ぶことができます。
プライベートと両立して仕事をするには、一般派遣は非常におすすめです。
自分の範囲の仕事では責任を持って遂行しなければなりませんが、正社員ほど責任を負うこともないため、精神的にも安定すると感じる方も多いです。
ただし、収入面、雇用面では不安定です。
正社員型派遣のメリット/デメリット
メリット
●派遣が終了しても雇用がある
●同じ職場で3年を超えて就業継続できる
●一般派遣より給与が高い傾向にある
●月給制の固定給のため、一般派遣より給与が安定する
●派遣先正社員に比べて、仕事に大きな責任を負うことがない
デメリット
●派遣先は派遣会社が選ぶため自分で選べない
●派遣先が変わることで転居が必要なケースもある
●一般派遣と同じく仕事内容や権限が限定的で、昇格などはない
メリット/デメリットも、派遣と正社員のハイブリッドです。収入面と雇用面は一般派遣より安定しますが、自由度は低くなります。
正社員型派遣のデメリットは【正社員型派遣はやめた方がいい実態|よちきゃり派遣】をチェックしてください。
紹介予定派遣のメリット/デメリット
メリット
●最初から直接雇用で入社するよりリスクが低い
●合わないと思ったら直接雇用を自分から断ることもできる
●賞与が出ることで年収がUPすることが多い
デメリット
●直接雇用が確約されているわけではない
●直接雇用が叶わなかった場合、その職場での派遣継続はできない
●直接雇用後の給与が月給ベースになる場合、月間単位では収入が減るかもしれない
紹介予定派遣は、直接雇用前に、派遣就業で様子見することができることが最大のメリットです。
派遣就業期間中に、そこでの業務だけなく社風や職場の雰囲気まで体験することができます。
自分自身の目で見極めることができ、最初から直接雇用で入社するよりもミスマッチのリスクが低くなります。
ただ、直接雇用はあくまで前提であり確約はされていません。双方がOKでないと直接雇用は成立しません。
もし直接雇用にならなかったら、最大6ヶ月の派遣期間終了後、その職場で派遣継続はできなくなります。
また、直接雇用になることで賞与が出るようになり年収はUPすることは多いです。
ただ、賞与がある分、月間単位では収入が下がることもたまにあります。
例)
以下の場合、年収は8万円UPしますが、月間収入は22万円から18万円になります。
派遣期間中:月間22万円×12ヶ月=年収264万円
直接雇用後:月間18万円×12ヶ月+賞与60万円=年収276万円
年間トータルでUPするのでデメリットと感じない方もいると思いますが、「この月収では困る」となる方もいると思います。
金額や条件面など、『交渉したい』と思ったことは、早めに派遣会社に相談して交渉してもらいましょう。
以上が派遣雇用形態ごとのメリット/デメリットです。
こちらの表に、雇用形態の違いとメリット/デメリットをまとめました。直接雇用のパターンも加えています。
雇用形態は、一概にどれが良い・悪い、とは言えません。どんな働き方にも、メリット/デメリットはあります。
人によって状況や志向性が違うので、最良の選択肢も異なります。あなたにとって「良い」と思う働き方こそ、あなたに適した雇用形態ですので、メリット/デメリットをよく確認して最善の選択しましょう。
どんな人が派遣に向いている?
派遣の向き不向きも、雇用形態によって異なります。
一般派遣がオススメな方
『選択性の高さを重視する方』にオススメです。
オススメ
●家事や子育てに時間が必要でフルタイムで働けない方
●扶養に入っており、年収◯万を超えたくない
●1年後に留学するので、その期間だけ働きたい
●副業や習い事をしたいため、自分の時間が欲しい人
派遣にも時短の仕事や週2,3日の仕事もあります。パート系の派遣求人は、大学や公的機関から発生することが多いです。
期間限定で働きたい方は、産休代替や期間限定プロジェクトの求人を狙いましょう。
残業なしの派遣で就業すれば、自分の時間も作りやすいです。範囲外の責任のプレッシャーもないため、業務が終われば、他のことに集中できます。
正社員型派遣がオススメな方
『専門的な仕事をずっと派遣でやっていきたい方』にオススメです。
正社員派遣のメリットは、派遣の3年ルールに縛られることなく、何年でも同じ職場で派遣就業できること。これが大きいと思っています。
このメリットを最大限活かすことで、一つの仕事の熟練度を上げることができ、次の派遣先に行くことになってもその磨いたスキルは重宝されると思います。
収入や雇用が一般派遣より安定するというメリットもありますが、企業の正社員に比べるとまだ不安定であり、個人的には大きなメリットではないと思っています。
紹介予定派遣がオススメな方
『企業の直接雇用になりたいけど、いきなり入社するのが不安な方』にオススメです。
理由はメリット/デメリットでご説明した通りです。
紹介予定派遣の場合、デメリットよりメリットの方が断然大きいと思います。正社員を目指す方は、紹介予定派遣を積極的に活用していきましょう。
まとめ
『派遣』は、雇用元と業務指示者が異なる、特殊な働き方です。
また、『派遣』には3種類の雇用形態があり、メリット/デメリットもそれぞれで異なります。
これから派遣で働くことを検討されている方は、各雇用形態のメリット/デメリットをよく把握した上で、自分がどんなスタイルで働きたいのかを照らし合わせながら、判断いただくのが良いかと思います。
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