派遣で働きつつ
「正社員転職への転職」も並行して考えている方は、
たくさんいらっしゃいます。
僕自身も、こんなご相談をいただくことが、よくあります。
正社員への転職活動をしてるんだけど、
そろそろ派遣先に次回の契約更新意思を伝えないといけない…
次回も3ヶ月更新になるから、
今更新したら、入社のタイミングが先延ばしになってしまう…
そんなことしたら内定もらえるか不安だし、
契約更新の返事、どうしよう…?
この悩みを、もうちょっと整理すると、
こんな感じです↓
【転職時期の悩み】
内定のタイミングが予測できないので、今の派遣契約更新との調整が難しい。
【契約更新の固定期間】
3ヶ月単位の派遣契約更新が多く、転職タイミングに影響する。
例えば、契約更新を決めた直後に、内定出て、残りの契約期間をどうしようと悩む。
【法的・契約的制約】
契約期間中の中途退職が難しく、関係者との調整が必要。
でも、こういうお悩みは、本当に多いです。
よって、今回は僕が実際に担当し、何度も成功した方法をお伝えします。
もちろん、状況によってベストな対応方法は変わります。
あくまでご参考に。
「使えそう」でしたら、ぜひ試してみてください。
人材派遣会社に14年間勤め、支店長やマネージャー職に7年以上携わりました。現在も人材業界管理職、またキャリアコンサルタントとして従事しています。その分、就業環境改善や退職の相談などいただく事も多く、最終的には責任者として年間100件以上の相談対応を行って参りました。
自分自身、『派遣社員』も『派遣会社(派遣元)』も『指揮命令者(派遣先)』も全て経験しており、3方向の目線から考察し記事を書いています。
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大前提:あなたが選べる「選択肢」
正社員への転職活動をしてるんだけど、
そろそろ派遣先に次回の契約更新意思を伝えないといけない…
次回も3ヶ月更新になるから、
今更新したら、入社のタイミングが先延ばしになってしまう…
そんなことしたら内定もらえるか不安だし、
契約更新の返事、どうしよう…?
もう一度、冒頭のお悩みを書きました。
上記のような状況になったとき、あなたの選択肢は、次の3つです。
選択肢①:
このまま派遣契約を3ヶ月更新し、転職活動においては転職先に入社日が遅くなることを交渉する。
選択肢②:
派遣会社へ1ヶ月ずつの派遣契約にして欲しいと交渉し、転職先の内定後なるべく早く入社できるようにしておく。
選択肢③:
派遣契約を3ヶ月更新しつつ、このまま内緒で転職活動し、転職が決まれば契約途中終了で派遣を辞めて、次の会社へ入社する。
良い悪いは置いておいて、物理的に選択肢はこの3つです。
ちなみに、選択肢③はお勧めできません。(理由は後述)
結論:①転職先への入社日交渉、②1ヶ月ずつの派遣契約の交渉
選択肢①:
このまま派遣3ヶ月契約更新し、転職活動では転職先に入社日が遅くなることを交渉する
選択肢②:
派遣会社へ1ヶ月ずつの派遣契約にして欲しいと交渉をする
先ほどあげた、上記2つの方法のどちらかを使いましょう。
どっちがいいのかは、状況によりますが、
より成功確率が高い方にしましょう。
それぞれ解説します。
選択肢①「転職先への入社日交渉」を使う
この方法が最も平和的です。
方法はシンプル。
転職先の面接選考で、入社可能時期を聞かれたら、「派遣契約が⚪︎月末までありますので、その次月から入社が可能です」と答えるだけです。聞かれなくても、事前に伝えておくのです。
転職先の企業も理解してくれることが多く、むしろ責任感を評価されることもあります。
派遣先と派遣会社に対しても、適切な期間内での退職を伝えることで円満な関係を保つことができます。
ただし、入社時期があまりに先(例えば3ヶ月以上先)だと、
他に早く入社できる人がいた場合、内定がもらえないリスクもあります。
選択肢②「1ヶ月ずつの派遣契約の交渉」を使う
派遣社員が正社員への転職活動を行う際には、いうまでもなく、
「契約更新期間」と「転職入社時期」のタイミングが重要です。
特に、3ヶ月単位の契約更新をしている場合、
次の契約更新が転職活動にどのように影響するか、
を考える必要があります。
実は、この調整は、意外と上手く出来たりするもの。
結論としては、以下の3ステップを踏むことが有効です。
【Setp①】
派遣会社に、転職希望について事前に伝えておく。
【Step②】
派遣会社に、1ヶ月単位の契約更新を依頼する。
【Step③】
派遣会社に、派遣先の温度感を確認してもらう。
更新期間の交渉は、
「この方法が最も有効だ」と僕は考えています。
選択肢②について:3ステップの詳細(理由と具体的アクション)
では、
なぜその3ステップが有効なのか「理由」の解説と、
「具体的なアクションプラン」をお伝えします。
① 派遣会社に、転職希望について事前に伝えておく
なぜそうすべきか:
急な話になってトラブルを避けるため:事前に伝えることで、派遣会社が派遣先との対応を事前に考えることができる。これにより、急な申し出で「それは困る」といった反応を避けられる。
派遣会社が味方してくれるようにするため:早めに伝えることで、派遣会社も状況を理解し、適切なサポートをしてくれる可能性が高くなる。内定が出た後「正社員の仕事が決まったので、契約途中ですが辞めます」と、急に言われると、派遣会社も対応に困り、味方してくれないかもしれない。
具体的な行動内容:
・派遣会社の営業担当に連絡し、「正社員への転職を希望していること」を早めに説明する。
・現在の転職活動の状況(例えば、活動を始めたばかりであること、どのくらいの頻度で応募しているかなど)を共有する。
・転職希望の理由や今後のキャリアプランを具体的に話す。
② 派遣会社に、1ヶ月単位の契約更新を依頼する
なぜそうすべきか:
転職活動に柔軟に対応するため:3ヶ月単位の契約更新では、内定が出たタイミングで転職するのが難しくなる可能性がある。1ヶ月単位の契約更新にすることで、転職活動の進行状況に柔軟に対応できる。
トラブルを避けるため:契約期間が短ければ、転職が決まった際にスムーズに退職しやすくなるため、派遣先や派遣会社とのトラブルを避けられる。
具体的な行動内容:
・派遣会社の営業担当に、正社員への転職活動を進めているため、1ヶ月単位の契約更新を希望することを伝える。
・具体的に1ヶ月単位の契約更新が可能かどうか、派遣会社から派遣先に確認してもらう。
③ 派遣会社に、派遣先の温度感を確認してもらう
なぜそうすべきか:
予期せぬトラブルを避けるため:派遣先の反応を事前に知ることで、誤解やトラブルを避けることができる。
サポートを得やすくするため:派遣先が理解を示してくれる場合、1ヶ月単位の契約更新や転職活動に対するサポートを得やすくなる。
具体的な行動内容:
・派遣会社の営業担当に、「派遣先が1ヶ月単位の契約更新をどう受け止めるか」確認してもらうよう依頼する。
・(派遣先が怪訝な様子だった場合は)今後の対応方法を派遣会社に相談する。
※注意:これらは全て派遣会社側へのアクションである
派遣会社は雇用元であり、派遣社員の契約や転職活動に関する対応は派遣会社が中心となります。派遣先に直接相談するのはお門違いであり、まずは雇用元である派遣会社に相談し、適切な対応を取ってもらうことが重要です。
要は、転職活動の進行状況に合わせて契約更新を調整する
転職活動は、求人情報の収集から応募、面接、内定まで時間がかかることが一般的ですが、
早ければ、転職活動開始から1〜2ヶ月で内定獲得まで進むことがあります。
そのため、3ヶ月単位の契約更新を行うと、転職活動の進行に合わせた柔軟な対応が難しくなります。
例えば、現在の契約が9月末で終了し、次の契約を3ヶ月更新すると、次の契約期間は12月末になります。
この場合、10月に内定が出て、転職先から「11月から入社してほしい」と言われても、12月末まで派遣契約をまっとうしなければならないため、最悪内定チャンスを失う可能性があります。
そのため、1ヶ月単位の契約更新を提案し、転職活動の進行状況に合わせて契約を調整する。こうすることで、内定が出たタイミングでスムーズに転職することが可能になります。
実例:転職活動と契約更新の両立を成功させたケース
ある派遣社員のAさんは、正社員への転職を目指して転職活動を開始しました。Aさんの契約は3ヶ月単位で更新されており、次の更新が7月末に迫っていました。Aさんは転職活動を開始したばかりであり、内定の見込みはまだ立っていませんでした。
Aさんはまず、派遣会社のエージェントに「正社員を希望して転職活動をしていること」を伝えました。そして、「1ヶ月単位の契約更新に変更できるか」を相談しました。エージェントは派遣先にこの要望を伝え、派遣先の温度感を確認しました。
結果として、派遣先はAさんの転職活動を理解し、1ヶ月単位の契約更新を了承しました。これにより、Aさんは転職活動を続けながらも、柔軟に契約更新を調整することができました。そして、内定が出たタイミングでスムーズに転職することができました。
おまけ:選択肢③「途中終了」はなぜマズいのか?
選択肢③:
このまま黙って転職活動し、転職が決まれば契約途中終了で派遣を辞めて、次の会社へ入社する
これは、派遣会社にも派遣先にも転職に関する報告をしておらず、決まったらサッと辞めてしまうケースが…。
言うまでもなく、やめていた方がいいです。
派遣会社にも派遣先にも迷惑がかかり、今後、その派遣会社にも派遣先にも二度とお世話になることはできないでしょう。自分自身も後ろめたい気持ちになると思います。
ただ、派遣会社が全然相談にのってくれないとか、派遣先が卑劣なハラスメントをしてくるとか、よくない環境であればアリかもしれない。
派遣契約の途中解除をしても、労働者は結局強い。
途中終了しても、金銭的なデメリットはほぼない。
(派遣会社や派遣先が契約破棄すると、派遣社員に支払う金銭的なペナルティはあるのに…)
契約破棄による「損害賠償」を気にされるかもしれないが、低確率で発生しない(途中で終了することでどんな損害が何円起きたのか、因果関係はあるのか、明確にすることが難しいから)。
でも、やはりおすすめしないですね。
まずは、派遣会社に相談することですね。
まとめ
正社員への転職を目指している派遣社員にとって、契約更新のタイミングは重要なポイントです。転職活動を進める中で、契約更新をどのように調整するかが成功の鍵となります。
選択肢①:転職先の会社に入社可能日は派遣満了後の日を伝える
選択肢②:派遣会社に転職希望を事前に伝え、1ヶ月単位の契約更新を依頼する
この方法を実践することで、転職活動と契約更新を両立させ、スムーズに正社員への転職を実現することができます。
転職活動を進めながらも、契約更新のタイミングを柔軟に調整することで、安心して次のステップに進むことができるでしょう。
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