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【派遣から正社員へ】派遣先に直接雇用で切り替えてもらう方法

派遣から正社員になる方法は、『転職』だけではありません。
ご存知の方も多いかもしれませんが、『派遣先の直接雇用(正社員)になる』という方法があります。

派遣先の正社員になることができるなら、慣れた環境で継続して働けますし、転職活動も不要です。
派遣先の就業環境が良い場合、狙ってみるのも1つの手です。

この記事は、そんな派遣先の正社員になりたい方へ向けて書いています。

派遣先の正社員になるためには、大きく2つの方法があります。

1. 派遣先からの評価を上げて派遣先から声をかけてもらう(切替期待値:10〜20%

2. 紹介予定派遣を活用する(切替期待値:80%以上

※切替期待値:直接雇用化される可能性です。人材業界経験14年の筆者の実践値です。

もとよし

『派遣』と『紹介予定派遣』は別物と思った方がいいです。
実際、雇用形態が異なります。
派遣は「一般派遣」の場合は3年間まで、「正社員型派遣」の場合は無期限、就業が可能です。紹介予定派遣は法律で派遣期間が最長6ヶ月と決まっています。
派遣の種類については別記事でこちらにまとめています。

今回は、この2つにフォーカスして、解説します。

 

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1. 派遣先からの評価を上げて派遣先から声をかけてもらう

派遣で働いている方

今働いている派遣先で正社員になりたい!

私は派遣会社で長年働いてきましたが、派遣スタッフさんからこのような声を沢山いただきました。

「将来正社員になりたい」という派遣スタッフさんのうち、7割くらいの方は今の派遣先で直接雇用になることを望まれていました。その派遣先の就業環境が良いほど、そう思いますよね。

ただ、もちろん、希望者全員が派遣先の正社員になれるわけではありません。
派遣先で直接雇用が実現した方の割合は、希望者のうち1〜2割くらいです。

もとよし

現在の派遣先で直接雇用になることは、なかなかの狭き門です。
理由は、派遣先の業況や、派遣社員の就業評価、派遣先と派遣元との折り合いなど、様々な要因が絡んでいます。

正直に申し上げて、100%正社員化が実現できる絶対的な方法はありません。
しかし、派遣先の正社員に切り替えてもらえる可能性を高める方法ならあります。

この章では、派遣先の正社員に切り替えてもらえる可能性UPの方法をお伝えします。

1-1. 派遣先で正社員切り替えしてもらうためにやることは2つ!

派遣先で正社員切替してもらう方法2点

派遣元・派遣先の方針から、正社員切り替えの可能性があることを確認する

②あなた自身が、派遣先の就業部署にとって、替えがきかない存在になる

この2つを両方クリアすることで、正社員切り替えの可能性がグンと上がります。

1-2. なぜその2つがやるべきことなのか?

①派遣元・派遣先の方針から、正社員切り替えの可能性があることを確認する

派遣先の正社員になりたいのであれば、これは一番最初にやっておくべきことです。
切り替えの可能性そのものがなかったら、どんなに頑張ってもその努力は水の泡になってしまいますので。

派遣先によっては、そもそも切り替えという制度そのものがないことがあります。
絶対に派遣から正社員に切り替えない、という会社の決まりがある企業ですら存在します。

また、切り替え制度はあるが、正社員ではなく契約社員(有期雇用)でしか直接雇用できない、という決まりがある派遣先もあります。これは大企業や老舗の企業に多い傾向にあります。

切り替わるのはいいですが、それが正社員なのか、契約社員なのかも要チェックですね。

 

もとよし

中には、切り替え後は契約社員で、その後就業中に正社員化の試験に合格すれば、晴れて正社員になれるというケースもあります。どこも、試験は難しく壁は高い、とよく耳にしていました。

 

また、派遣先と派遣会社との会社間での折り合いがつかない場合もあります。人材紹介料金の話ですね。

派遣から直接雇用切り替え時は、派遣会社は派遣先に人材紹介料を請求します。
切り替え後年収額の30%くらいの紹介料率ですから、大体100万円弱〜150万円くらいです。
派遣会社によっては、切り替えの場合は紹介料率20%とか、値引きすることもあります。

ただ、派遣先がこの紹介料を払えない場合、派遣先と派遣会社の折り合いがつかなくなります。
折り合いがつかなければ、直接雇用化の話事態が白紙になることがあります。

派遣先は、直接雇用にする際の紹介料は払わなければなりませんが、論争なることもあります。
その論争を防止するために、契約の際に『紛争防止処置(切り替えの時の紹介料はちゃんと取り決めて、もし何かあれば議論しましょうね)』といった文言で勝手なことができない制約が存在します。
派遣会社にとっては大事なスタッフさんなので、無償で取られる時点でビジネスとして成立しませんので。
派遣もビジネス。踏み倒しが横行する派遣先であれば、今後取引する派遣会社自体無くなるでしょう。

 

②あなた自身が、派遣先の就業部署にとって、替えがきかない存在になる

派遣でも正社員でも、その職場に必要とされる人は、ずっと居てほしいと重宝されます。
(仕事でもムードメーカーでも)特にその人でないと出来ないことがあるなら、尚更ですね。

基本的に、派遣という働き方は期間制限があります。一般派遣であれば、派遣法上、3年間が上限です。
替えのきかない人に期間後も継続してもらうために、派遣先は直接雇用という手段をとるのです。

もとよし

実は、正社員への切り替えの話のほとんどが、派遣先からの声がけで発生します。派遣先から派遣会社に対して、「この派遣スタッフさんをうちで正社員にしたい」というお声がかかるというわけです。

1-3. オススメのアクションプラン

ここまで、正社員切り替えのために大事なことは

①派遣元・派遣先の方針から、正社員切り替えの可能性があることを確認する

②あなた自身が、派遣先の就業部署にとって、替えがきかない存在になる

の2点であると説明しました。

ここからは、その2点について具体的に何をすべきか、詳細を説明します。

①派遣元・派遣先の方針から、正社員切り替えの可能性があることを確認する

これは、派遣元(派遣会社)に聞きましょう。
契約に関わることなので派遣会社に聞くのが鉄則です。

派遣会社に確認すべき内容はこちら↓

派遣会社に確認する内容

今の派遣先で直接雇用化の可能性を確認するために、以下を派遣会社に聞きましょう。

  • 今の派遣先では、過去に直接雇用切り替え実績はありますか?
  • 実績があれば、それは正社員でしょうか?契約社員でしょうか?
  • 現在直接雇用の可能性があるかどうか、派遣先に確認してもらうことはできますか?
もとよし

『そんなこと聞いてもいいの?』と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、派遣会社はスタッフさんからこういう問い合わせをもらうことは全然珍しくありません。普通に聞いて大丈夫です。

過去に実績があれば、実現できる可能性は高まります。また、過去実績があっても、現状どうなのかも重要ですので、現時点での可能性の有無も確認しましょう。

直接雇用の可能性がないケース

以下1つでも該当すると、直接雇用は難しいです。
逆に1つも該当するものがなければ、直接雇用化できる可能性は充分あります!

  • 派遣先に永続的に人を雇える予算がない
  • 今の派遣業務は一時的なのものである(繁忙期のみや、期日があるプロジェクトなど)
  • 派遣先が会社の方針で中途採用をしない
  • 派遣先と派遣会社との間でトラブルがある(紹介料など)

これで直接雇用の可能性がないのであれあれば、今の派遣先で正社員になれる目はほぼありません。

正社員を目指すのであれば、転職紹介予定派遣切り替えの実績がある派遣先を紹介してもらうなど、職場を変えた方が良いです。

こちらは、転職を考えている方へ向けた、転職エージェントのまとめ記事です。
”筆者も使った” 派遣から正社員へ転職するためのエージェント7選

②あなた自身が、派遣先の就業部署にとって、替えがきかない存在になる

これまで派遣先の正社員になられた派遣スタッフさんには、こんな共通点がありました。

◎派遣先が期待している以上に、仕事をこなしている

人物面が良い

ただ、仕事をするだけではなく、相手の期待を超えることが重要です。
また、仕事の成果も人物面も、自己評価ではなく、相手からの客観的な評価が大切です。

もとよし

人は多くの場合、自己評価を高く持つものです。自己肯定感を持つことは素晴らしいことですが、自己評価と他人からの評価にギャップがないかを確認することは大事ですね。

派遣先や職場環境、上司の方個人によっても、何が評価に繋がるかは異なります。

そこで今回は、どこでも通用する汎用性が高いオススメのアクションプランをご紹介します。

【プラン①】派遣先からの今の評価を知る(タップして開く)

客観的な評価を知るために、まず最初に行いたいことです。これがないと、今のままで良いのか、改善が必要なのかが分かりません。

派遣先からの評価は、派遣会社にやってもらいましょう

派遣元(営業担当者など)であれば、自身が担当している派遣スタッフさんのことは、派遣先から色々聞いている場合が多いです。

例え営業担当者が詳しく知らなくても、
「私の仕事ぶりは、派遣先の方はどう思われていますでしょうか?」
「改善すべきところがあれば教えていただきたいです」

と聞き、営業担当経由で評価を回収しましょう。

また、もし派遣先で上司が個人面談をしてくださる機会があれば、素直に伺ってみましょう。

「より高く成果を出すために、良くないところは改善したいので、教えてください」
と聞かれたら、上司も真摯に答えてくれるはずです。

【プラン②】普段の仕事の中で、時間や経費に無駄のないやり方を考え提案し実行する(タップして開く)

決まった仕事をこなすことや、手が空いた時は何かすることがないか探す、などといったとは多くの派遣スタッフさんが出来ています。

つまりこれだけでは、他の方と差別化が難しいです。

ここで一気に差をつけることができるのが、生産性への意識の有無です。

『会社の生産性のために』や『部署の効率化のために』と考えることができる方は派遣スタッフさんの中でも少ないので(出来ている方は素晴らしいです!)、時間や経費の削減ができる業務改善を提案し、許可を得て行動に移せると最高に良いです。

私も部下を持つ身として、生産性向上の提案を部下からもえると嬉しいものです。

【プラン③】報連相は結論から話す(タップして開く)

詳しい状況や背景から、タラタラ〜と話し始める。私も昔はそうでした…。

月並みなアドバイスですが、報連相は結論から伝えましょう。

\報連相のポイント/
✔︎ まず、報告 or 相談 or 連絡のどれなのかを使える
✔︎ 結論を先に一言で伝え、その後に理由や背景を伝える
✔︎ 相談のときは、上司に選んでもらう選択肢を準備しておくと尚よし

派遣先評価が上がる報連相のやり方については、別途こちらの記事にまとめています。
報連相スキルを圧倒的に伸ばす4つの方法

【プラン④】挨拶、礼儀マナーは自分ができる最大限でやる(タップして開く)

稚拙なテーマ、と思われたかもしれませんが、挨拶は舐めてはいけません!

以下のように挨拶・礼儀マナーが出来ていない人は結構いらっしゃるんです

・会社で「おはようございます」、「お先に失礼します」と挨拶ができない
・会社で上司や同僚とすれ違うときに「お疲れ様です」と挨拶をしない
・お礼やお詫びができない
・声が小さい、覇気がない

過剰にやるという訳ではなく、大事なのは自分の気持ちが伝わること。

自分ができる最大限で、笑顔で明るく挨拶をし、素直な礼儀を心掛けましょう。

以上を徹底することで、派遣先からの評価が上がり、直接雇用化の可能性を高めることができます。

2. 紹介予定派遣を活用する

今の派遣先での直接雇用化という観点ではありませんが、紹介予定派遣も派遣から正社員になれる手段の一つです。

紹介予定派遣のメリット・デメリットについてはこちら↓

2-1. 紹介予定派遣での切替期待値は80%以上

私の経験上、紹介予定派遣で就業開始した方のうち、8割以上の方が直接雇用に切り替わっています
これは筆者の業界経験から導き出した数値です。

派遣先の直接雇用になれる可能性が一番高い方法は、この紹介予定派遣なのです。

2-2. そもそも紹介予定派遣とは

まず、「紹介予定派遣とは何か?」を解説します。
紹介予定派遣は、『派遣期間を設けた直接雇用採用の方法』です。

▼図で解説▼

2-3. 普通の派遣と何が違うのか?

違いは、以下3点です。

①直接雇用を前提としていること

一番の違いは、直接雇用を前提としている、ということです。

本来、派遣サービス自体が一時的な人的資源補充のために存在するので、直接雇用を前提としていません。

派遣先は、一定期間だけ(仕事があるときや人手がなりたいときだけ)働いてほしいので、その期間が終われば派遣も終了するのが一般的です。

しかし、紹介予定派遣は、その派遣社員の方を直接雇用することが目的です。『試用期間=派遣就業期間』と思っていただければイメージしやすいと思います。

もとよし

直接雇用を前提としていることが、紹介予定派遣の最大の魅力ですね。

注意点として、直接雇用化はあくまで前提であり、派遣社員と派遣先の双方同意がないと成立しません。
この点も押さえておきましょう。

②就業前に派遣先の面接選考があること

派遣の場合、就業決定する前段階で職場見学(顔合わせ)がありますが、紹介予定派遣の場合は面接選考になります。実際に、履歴書・職務経歴書を派遣先に提出することがほとんどです。

理由は、直接雇用が前提だからです。

普通の派遣であれば、派遣先が派遣社員の個人情報を特定したり、選考することは違法行為です。

なぜ違法になるのか詳細を確認されたい方は、こちらの記事をご覧ください。
職場見学は違法行為?派遣先が選考すると違法!(派遣法第26条)

しかし、直接雇用が前提である紹介予定派遣では、派遣先が選考することはOKなのです。

派遣就業中に選考テストや面接が行われるケースもあります。

③就業後6ヶ月経過したら、派遣継続できないこと

紹介予定派遣は派遣就業できる期間が最大6ヶ月と、派遣法で決まっています。

この6ヶ月の間で、派遣先は『この派遣社員を直接雇用に切り替えるか』、派遣社員は『この派遣先での直接雇用を希望するか』を決めなければなりません。

なお、双方、直接雇用切替を望むなら、6ヶ月を待たずとも切替可能です。
ただ、どちらか一方でも切替を望まない場合は、直接雇用不成立となり、6ヶ月以降は派遣継続が強制的に終了します。

6ヶ月待たなくとも、直接雇用切替は出来ますし、ミスマッチなどで早々に派遣終了することもあり得ます。

2-4. 紹介予定派遣求人の探し方

一番早いのが、派遣会社HPや派遣求人サイトで「紹介予定派遣」の条件検索をすることです。

紹介予定派遣の条件設定がどこでできるのか、今回は、
・テンプスタッフ
・マイナビスタッフ
・リクナビ派遣

の3つをピックアップし、説明します。

 

テンプスタッフ(公式HP)

HPのトップ画面から、『カンタン検索』▶︎『はたらき方を選ぶ』をクリック。

すると、以下のように選択肢が表示されるので、『紹介予定派遣』を選択する。

あとは、その他希望条件があれば設定し、『この条件で検索🔍』をクリック。

※テンプスタッフの公式HPはこちら→テンプスタッフ


マイナビスタッフ(公式HP)

HPのトップ画面から、『求人検索』▶︎『派遣・紹介予定派遣の求人』をクリック。

以下の画面になるので、『派遣期間』の『紹介予定派遣』のチェックボックスにチェックを入れる。

あとは、その他希望条件があれば設定し、『🔎この条件で検索する』をクリック。

※マイナビスタッフの公式HPはこちら→マイナビスタッフ

 

リクナビ派遣(公式HP)

HPのトップ画面で、少し下にスクロール。

スクロールすると『すべての条件から探す>>』があるので、クリック。

以下の画面が表示されるので、『紹介予定派遣』のチェックボックスにチェックを入れる。

あとは、その他希望条件があれば設定し、『検索する』をクリック。

※リクナビ派遣の公式HPはこちらリクナビ派遣

紹介予定派遣の求人を探すには、このような形で、派遣会社や派遣求人サイトにて『紹介予定派遣』で条件検索してみましょう。

応募の方法は、普通の派遣求人へ応募する方法と同じです。
応募後の選考中期間は、派遣会社がサポートしてくれます。

紹介予定派遣でも、直接雇用後の雇用形態が、正社員の場合と契約社員の場合があります。正社員か契約社員かこだわりがある場合は、直接雇用後の雇用形態は派遣会社にしっかり確認しましょう

まとめ

今回は、派遣先で正社員に切り替わるための方法を解説しました。

以下にポイントをピックアップします。

✔︎ 方法は、『派遣先の評価を上げて派遣先から声をかけてもらう方法』と、『紹介予定派遣』の2パターンある。

✔︎ 今の派遣先で直接雇用になるためには、まず、直接雇用の可能性の有無を派遣会社を通じて確認すること。

✔︎ 直接雇用の可能性の有れば、あとは派遣先の評価を上げることに注力すること。

✔︎ 派遣先の評価を上げる前に、現状の評価を知ること。これも派遣会社を通じて確認する。

✔︎ 派遣先は派遣社員の、業務上の生産性報連相スキル、挨拶や礼儀などの人物面、を見て評価している。

✔︎ 紹介予定派遣は、直接雇用になることを前提とした雇用形態であり、高い確率で派遣先の直接雇用になることができる。

✔︎ 紹介予定派遣の求人は、派遣会社のHPで検索することができる。

✔︎ 今の派遣先での直接雇用であれ、紹介予定派遣であれ、直接雇用後の雇用形態は正社員の場合契約社員の場合があり、事前に派遣会社に確認しておくとよい。

派遣先の直接雇用を狙う方にとって、参考になれば幸いです。

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