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【図解:7パターン】事業所合併時の派遣3年ルール抵触日の考え方

以前、派遣の3年ルールについて、解説記事を書きました。

おかげさまで、たくさんの方にご覧いただけています。ありがとうございます!

ただ、その中で、「もし会社が合併したら、抵触日はどう数えたらいいのか?」という疑問の声をいただくこともありました。

そこで今回は、事業所や会社が合併した場合の抵触日の考え方につき、7つのパターン図解で説明させていただきます。

参考にしていただけますと幸いです。

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まずは簡単に前提です(3年ルールとは?抵触日とは?事業所抵触日とは?)

3年ルールとは

3年ルールとは、
同一組織で同一の派遣社員が3年を超え派遣就業をしてはならない』という、
派遣法で決まった法律です。

抵触日とは

同一組織で同一の派遣社員は、3年間までしか派遣就業ができませんが、その3年を超える日(つまり派遣就業ができなくなる日)を抵触日と言います。

例えば、2023年4月1日から派遣就業開始した場合、3年後の2026年3月31日まで派遣就業が可能です。しかし、次の日2026年4月1日も同じ組織で派遣就業を続けてしまうと派遣法に抵触してしまいます。

この2026年4月1日が、抵触日ということですね。

事業所抵触日とは?

抵触日には、①個人単位②事業所単位の2種類の軸があります。3年間のカウントは、この二本の軸でそれぞれ行なっており、どちらか先に3年がくる方が3年ルールの『3年目』に該当します。

事業所単位の抵触日について、詳しくはこちらで解説!

今回は、②事業所単位にフォーカスしています。

もとよし

3年ルールや抵触日については以下の記事にてめちゃめちゃ詳しく解説しています。今更聞けないというような超基本を網羅的に書いていますので、参考にしていただけると嬉しいです。

事業所の合併とは

派遣先によっては、事業所が合併することもあると思います。

例えば、新宿支店と渋谷支店が合併して、東京支店という事業所が新たに作られた場合です。

この時、合併事業所の抵触日は、合併前の支店たちの早くくる方の抵触日が適用されます。

このように、支店(事業所)が合併することにより、事業所抵触日が変わることがあるのです。

7つのパターンを図解で解説

ここからは以下7つのパターンについて、事業所の抵触日がどう変化するのか、図で説明して行きます。

パターン①a支店がb支店に吸収統合された場合
パターン②a支店のX部署が、b支店に移籍した場合
パターン③2つの会社が合併した場合(ただし支店の統合はなし
パターン④2つの会社が合併し、事業所の統合も発生した場合
パターン⑤:会社の合併はないが、支店だけが他会社に事業譲渡され、支店のみの合併が発生した場合
パターン⑥:会社の合併も支店の統合もないが、ある部署だけが他の会社に事業譲渡され、場所も移籍した場合
パターン⑦:会社の合併も支店の統合もなく、ある部署だけが他の会社に事業譲渡されたが、場所は変わらない場合

『支店』=『事業所』と考えてください。また今回支店という表現をしていますが、工場、営業所、研究所、なども事業所として捉えます。支店と工場が合体した場合も、事業所の吸収合併と捉えてください。
・パターンで出てくる支店(事業所)は、『雇用保険適用設置事業所』として事業所単位として独立しているという前提
・今回の7パターンはいずれも組織の変化はないもの、すなわち同一組織であるとみなします。よって『個人の抵触日』に変更はありません。

同一組織とは?

同一組織とは、派遣先が講ずべき措置に関する指針(厚生労働省)に基づくと、

✔︎ 業務としての類似性・関連性があること
✔︎ その組織長が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有すること


これらの観点から実態に即して、同じ組織か異なる組織か判断する。

とされています。

もっとシンプルに言えば、同一組織とは
一定の決裁権を持ったリーダーのもと、
特定の業務を行うために、
形成されたユニットということです。

例えば、◯◯課◯◯グループといったものです。
派遣先が大学の研究室の場合は、◯◯研究室が組織単位になります。

また、どこまでが同一組織といえるのか、という判断は、職場の組織体によって異なることがあり、解釈が難しいケースもあります。

「こういうケースはどこまでが同一組織なのだろう?」とよく分からない場合は、派遣元や派遣先に確認してみましょう。派遣元や派遣先でも判断しかねるときは、労働局に問い合わせるのが確実です。

ちなみに派遣就業中に組織が2つに分裂した場合(例えば営業課が営業一課と営業二課に別れる)や、合併して1つになった場合(営業一課と営業ニ課が合併して営業課になる)も、組織としての性質が変わらないのであれば同一組織のままとみなされ、早く来る方の抵触日が適用されるのが一般的です。

パターン①:a支店がb支店に吸収統合された場合

同じ法人内で、複数の事業所が合併するパターンです。事業所抵触日は、早い方に統一されます。

パターン②:a支店のX部署が、b支店に移籍した場合

同じ法人内で、特定の部署だけが別の事業所へ合併するパターンです。合併する側の事業所の事業所抵触日は、早い方に統一されます。

パターン③:2つの会社が合併した場合(ただし支店の統合はなし)

会社自体が合併する、ただし、事業所の合併はない、というケースです。このように事業所の統合がなければ、事業所抵触日が変わることはありません。

パターン④:2つの会社が合併し、支店の統合も発生した場合

会社が合併し、事業所も統合する場合は、事業所抵触日は、早い方に統一されます。

パターン⑤:会社の合併はないが、支店だけが他会社に事業譲渡され、支店のみの合併が発生した場合

会社は合併せずに、事業所だけを別会社へ譲渡し事業所が合併する場合、合併した事業所の事業所抵触日は早い方に統一されます。

パターン⑥:会社の合併も支店の統合もないが、ある部署だけが他の会社に事業譲渡され、場所も移籍した場合

会社も事業所も合併せず、ある部署だけが、他会社の事業所に譲渡・移籍する場合は、譲渡・移籍された事業所の事業所抵触日は早い方に統一されます。

パターン⑦:会社の合併も支店の統合もなく、ある部署だけが他の会社に事業譲渡されたが、場所は変わらない場合

会社も事業所も合併せず、ある部署だけが、他会社の事業所に譲渡されるが、その部署の場所は変わらない場合でも、譲渡された事業所の事業所抵触日は早い方に統一されます。

まとめ

今回は、「もし会社が合併したら、抵触日はどう数えたらいいのか?」という疑問に対して、7つのパターンで解説させていただきました。

どのパターンもご覧いただくとわかるように、事業所が合併する場合は、早く抵触日がくる方が適用される、ということです。

そして、法人の合併があっても、事業所やその中の部署に合併などの変化がなければ、事業所抵触日も変化することはないということですね。

いずれも基本的・原則的な考え方です。

実情では、もっと複雑なケースもあり、事業所として成立するのか、や、どこまでを同一組織と捉えるべきか、など判断しにくい場合もあります。どうしても判断が難しい場合は、当該エリアの労働局にきちんと確認されることをお勧めします。

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