面接選考の際、必ずと言っていいほど聞かれる退職理由。
嫌ですよねー…。微妙な理由だと、「落とされるんじゃないか??」って思いますもんね。
実はこれ、派遣の顔合わせ(職場見学)でも同じことが言えます。
あれ?
派遣って選考しちゃダメだから、退職理由を訊くのもダメなんじゃないの?
感のいい方は、こんなことに気づかれるのではないでしょうか?
その通りです!
本来、派遣の顔合わせにおいて、派遣先側が強制的に退職理由を訊き出すことはNGです。
理由はまさに、派遣就業者を決める際には派遣先が派遣求職者を選考してはならないためですね。
『退職理由を訊き出す』という行為は、『選考目的』と捉えるのが自然ですからね。じゃないと、訊く理由がないです。
しかし、現実では顔合わせ(職場見学)時に派遣先から退職理由を訊かれるという場面は多々存在します。
正直、この風習はどうこう止められるものではありません。
そこで今回は、退職理由を伝えるべきかどうか、という点にフォーカスして、解説していきます。
・退職理由は伝えるべき?伝えないべき?
・退職理由を使えなかったら、どうなるの?
・言いにくい退職理由をうまく伝える方法はある?
・出来るなら伝えた方がいいです。
・退職理由を伝えることで、マッチ度がUPする可能性があります。
・ただ伝え方にはコツがあります。どんな退職理由でも不利にならない上手な伝え方があります。
なお、退職理由について、伝え方の具体例はこちらの別記事にまとめています。
>伝えにくい退職理由の伝え方『10選』
この記事を書いた人
人材派遣会社に14年間勤め、これまでの派遣顔合わせ対応回数は累計4桁以上。民間企業、大学、公的機関など様々な派遣先に対し、多くの就業決定サポートをしてきました。【求職者の性質】×【派遣先の性質】の掛け合わせを重視し、より良い顔合わせを実現してまいりました。
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【結論】退職理由は伝えるべきか?→伝えた方が良い
まずは、退職理由そのものを伝えるべきか否かですが、求職者自身に問題なければ、
伝えた方が良い
と筆者は考えています。
なぜなら、退職理由を伝えたほうが、求職者と派遣先のマッチ度が高まる可能性があるためです。
退職理由を伝えることで、なぜマッチ度が高まるのか?
過去の職場で退職するに至った原因が、今回の派遣先にも存在するかどうか、その派遣先に認識してもらうことが出来るためです。
例えば、残業が多すぎて前職を退職した場合、
次の派遣先でも同じくらい残業があったら、求職者はまた「辞めたい」と思うでしょう。
もし、そんな状態で就業決定したとしても、
求職者にとっても派遣先にとっても、
お互い不幸になりかねませんよね。
求職者は、『自分自身にとって、辞めたいくらい嫌なこと』を派遣先に共有すること、
派遣先は、『求職者が辞めたいくらい嫌なこと』が我が社に存在するかどうか確認すること、
これらをお互いに認識できれば、マッチ度は必然的に上がるというわけです。
派遣先が退職理由を気にする理由
派遣先が働いてほしい期間、きちんと就業してくれるのか、が心配だからです。
派遣というサービスの目的は、
『必要な時に必要な戦力を補強する』、これが大前提となります。
全ての派遣先が退職理由を気にするわけではありませんが、
特に就業期間が数ヶ月〜数年単位の長期求人であれば、
多くの派遣先が退職理由を気にします。
筆者が担当してきた派遣求人は、年単位の長期求人がほとんどであり、派遣先の7割くらいは退職理由を気にされていました。
採用後すぐに退職になったり、必要な期間働いてもらえなかったら、
派遣先はまた採用と教育を繰り返すことになるので、必ずコスト(お金と時間)がかかります。
採用する側としては、これは避けたいのです。
逆に、誰でも出来る業務内容であり、数日以内の短期派遣であれば、
退職理由はさほど気にされないでしょう。
余談ですが、派遣社員の早期退職は、派遣元にとってもかなりの痛手です。
派遣元も、募集広告費をかけ、従業員の人件費をかけ、仕事をするオフィスの賃料もかけ、と多くのコストをかけています。
また、早期退職となると、大体派遣先からクレームになるため、その謝罪対応と急な後任選任と是正処置にも時間をかけることになります。
目に余るような退職を繰り返すと、その派遣元から仕事を紹介して貰えなくなりますので、派遣で働かれる際その点は気をつけておきましょう。
派遣先は、どんな退職理由の求職者を避け気味なのか
お察しの通り、短期間(数カ月程度)の転職を繰り返しているケースです。
退職理由が何であれ、その求職者のことを何も知らない人であれば、
・気が変わればすぐに辞めてしまう、長続きしない性格なのでは?
・どこに行っても何かしらトラブルを起こしているのでは?
と第一印象を持たれてしまうでしょう。
職歴の改ざんは出来ないので退職回数が多いことは仕方がないことです。
ですが、ご安心を。
あらゆる退職理由に対応できる伝え方を、以下の記事にまとめています。
ぜひ、参考にしてみてください。
派遣の顔合わせで退職理由を伝えなかったら、どうなるのか?
「めんどくさいし、そもそも退職理由を伝えかかったらいいのではないか?」
そんな声も上がってくるのではないかと思います。
確かに、派遣の顔合わせでは、退職理由を伝えることは強制ではありません。
しかし、いくら退職理由を伝える義務がないとはいえ、
求職者が「話せない」となれば、
派遣先は『言えない裏事情があるのではないか?』と考えてしまいます。
・言えない理由があるということは、何か隠したいことがあるのではないか?
・過去、トラブルを起こしてきているのではないか?
このような妄想が膨らみ、見送りになる可能性が高まります。
もちろん、これを理由に派遣先が就業を見送るなんてことは、違法です。
ただこれが本当の理由なのかどうか、外部からは確証を取ることが出来ません。
退職理由を伝える際の、タイミングとポイント
私の経験上、退職理由説明は、
①先手必勝、②スマートに行うのが良いと考えます。
【①先手必勝】タイミングは自己紹介時
顔合わせでは、求職者は自己紹介を行う場面があります。
その自己紹介で職歴を伝える時に、
退職理由も入れ込んでしまいましょう。
私の実践上、先に伝えることで、
コンプライアンスを重視した派遣先やデリカシーがある派遣先は、
後の質疑応答でもあまり言及・詮索してこないケースが圧倒的に多いです。
逆に、先に伝えていない場合、
後の質疑応答で退職理由を聞かれることが多かったです。
【②スマート】“端的に” 且つ “正直に” 伝える
重要なことは、退職理由は長く話さず”端的に”、嘘をつかずに”正直に”です。
たまに退職理由を長文で説明される方もいますが、
ご本人にそのつもりがなくても、
他人からすると必ず言い訳のように聞こえます。
また、嘘については、そこそこ経験がある採用担当であれば、必ず見抜きます。
嘘をつくと、矛盾していたり一貫性がないなど、何かしら綻び(ほころび)が生じます。
表情や雰囲気でも結構バレます。
【超重要】退職理由で嘘をつくデメリット
嘘がバレると、信用がなくなるため、就業見送りになるかもしれません。
これは当然ですよね。
では、バレなかったらいいのか?
いえ、バレずに就業開始してしまう方がリスクが高いです。
もし派遣先が、求職者の本当の退職理由に気づかずに登用してしまったら、
就業開始後にミスマッチだったことが発覚する可能性があります。
例えば、前職は現場上司のパワハラが原因で退職したのに、
今回の職場の上司もそれに近い性格である、など。
派遣先に見抜いてもらって、あえて見送りになることで、
求職者はその派遣先に就業することにならずに済んで、よかったということもあり得ます。
もし、その就業できても、過去の退職の原因と同じことが起きるかもしれない。
そんなリスクが想定されるなら、派遣先は受け入れようとしないですし、
求職者側としてもここで働くのは願い下げ、ということになりますよね。
このように退職理由の擦り合わせは、
派遣先と求職者のお互いにとって、メリットがあるのです。
まとめ
✔︎退職理由は、マッチ度を高めるために、伝えるべきである
✔︎派遣先は、求職者が退職に至る原因を把握することで、ミスマッチがないか確認している
✔︎退職理由は、自己紹介の時に、端的かつ正直に伝えるとよい
✔︎嘘の退職理由によって就業後に不幸な目にあうこともあるので、嘘はつかない
退職理由について、伝え方の具体例はこちらの記事にまとめています。
※派遣から正社員転職を目指す方へ
「派遣から正社員になりたい!」という方はたくさんいらっしゃいます。私も派遣で働いたことがあるので、気持ちはよくわかります。転職するならエージェントの利用は必須。中でもオススメの7選をこちらの記事でご紹介しています。
≫人材業界経験者がオススメする、正社員転職エージェント7選
イラスト:おもちさん
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